モルタル外壁とは
モルタル外壁とは、水、セメント、砂を1:2:5の比率で混ぜ合わせた素材を使用して仕上げた外壁のことを指します。施工性が良く、外壁だけでなく、レンガや石を接着する際にも広く使われています。シンプルでありながら耐候性や仕上げの多様性に優れている点が特徴です。
モルタル外壁のメリット
リフォームを検討する際に、各外壁素材のメリットを理解しておけば、より適した素材選びができます。ここでは、モルタル外壁の具体的なメリットについて詳しく解説します。
デザインが豊富にある
モルタル外壁は、仕上げ方法や施工時に使用する砂や繊維の種類を組み合わせることで、多様なデザインを作り出すことができます。そのため、個性的で美しい外観を実現することが可能です。また、サイディングのように継ぎ目がないため、一体感のある見た目に仕上がります。さらに、複雑な形状の建物にも柔軟に対応でき、独自のデザインを追求したい方に適しています。
シーリング材の補修が必要ない
モルタル外壁は壁に直接塗る仕様のため、サイディングで必要となるシーリング材の補修が不要です。サイディングでは、貼り合わせた板の継ぎ目に使用するシーリング材の劣化が問題となりますが、モルタルの場合、このメンテナンスが必要ありません。そのため、結果として、長期的に手間や費用を抑えることができるのです。
耐久性・耐火性・遮熱性が高い
モルタル外壁は、飛来物などの衝突にも強く、簡単に壊れない耐久性を持っています。また、セメント、砂、水といった不燃性の素材で構成されているため、火事になっても炎に包まれにくく、有毒ガスの発生もありません。さらに、モルタルは金属のように太陽光で温度が急激に上昇することがほとんどなく、快適な室内環境を維持しやすい点も特徴です。金属素材で必要な遮熱効果のある高価な塗料を使用する必要がないため、費用面でも安心です。
モルタル外壁のデメリット
モルタル外壁は独特の風合いが魅力ですが、デメリットもいくつか存在します。ここでは、その代表的な3つのデメリットについて解説します。
ひび割れが起こりやすい
モルタル外壁は経年劣化によって乾燥しやすく、ひび割れが発生しやすい素材です。特に防水性能が他の外壁材に比べて高くなく、つなぎ目がない構造のため、地震などの揺れでエネルギーが逃げにくいことが原因とされています。
ひび割れが進行すると、そこから雨水が浸入し、雨漏りを引き起こすリスクもあります。
モルタル外壁を採用する場合は、ひび割れが生じている箇所はないか、定期的にメンテナンスするようにしましょう。
汚れがつきやすい
モルタル外壁の表面には独特の凹凸があり、手作り感や温かみを出すためのデザインが施されています。一方で、この凹凸がホコリや汚れを溜めやすく、清掃が難しい一面があります。
さらに、仕上げに淡い色が用いられることが多く、汚れが目立ちやすい点にも注意が必要です。そのため、定期的な汚れのクリーニングや塗装が欠かせません。
クオリティに差が生じやすい
モルタル外壁は、施工する職人の技術によって仕上がりの品質が大きく変わる素材です。
左官仕上げやローラー仕上げなど、仕上げ方によって完成度に差が出るため、経験豊富で信頼できる職人に依頼することが重要です。
技術力の差が、外壁の美しさや耐久性に直接影響するため、施工業者選びは慎重に行いましょう。
モルタル外壁の費用
ここでは、モルタル外壁を塗装、補修する場合の費用をそれぞれ解説します。ここで紹介するのはあくまで相場であり、施工面積やオプションによって大きく変動する点を踏まえてください。
塗装の場合
モルタル外壁の塗装は、主に劣化した外壁の見た目を改善し、防水性能を維持する目的で行われます。
塗装方法には、ローラー塗装、スプレー塗装、刷毛塗りなどがあります。一般的にローラー塗装が最も利用され、ムラが少なく仕上がりが安定するとされています。
費用については、主に外壁の広さや塗料の種類によって変動します。例えば、シリコン塗料を使用する場合は1㎡あたり2,300円〜3,500円程度、ウレタン塗料では1㎡あたり1,800円〜2,000円が目安となります。一般的な30坪の家の場合、総額は60万円〜120万円程度になることが多いです。
また、高性能塗料や断熱効果のある塗料を使用する場合、さらに費用が高くなることがあります。
補修の場合
モルタル外壁の補修は、ひび割れや欠けが発生した際に行われます。これらの損傷を放置すると、雨水が浸入し内部構造の劣化を招くおそれがあるため、早めの対応が必要です。
補修方法としては、ひび割れの幅に応じた対策が取られます。例えば、幅が0.3mm以下のヘアークラックには防水材を塗布するだけで対応可能です。一方、幅が広いクラックや欠けた部分は、モルタルを再度塗り直す必要があります。
費用は損傷の範囲や補修方法によって異なりますが、部分的な補修の場合は1箇所あたり1万円から20万円が目安です。全面的な補修が必要な場合は、60万円から80万円程度になることがあります。
なお、補修後は仕上げに塗装も施すことで、補修部分が目立たなくなり、外壁全体の美観と防水性能を向上させられます。
モルタル外壁のメンテナンス周期
モルタル外壁のメンテナンスは、適切なタイミングで行うことで、外壁の耐久性を高め、住宅全体の美観や機能性を保つことができます。ここでは、具体的な目安となる年数や劣化症状について詳しく解説します。
10年に1回が目安
モルタル外壁のメンテナンス時期として目安となるのは「築10年」です。これは、外壁塗装に使用されるウレタン塗料やシリコン塗料の耐用年数が10年前後であることに由来します。
また、モルタル外壁自体の耐用年数は一般的に30年とされていますが、定期的なメンテナンスを行うことで30年以上使用することも可能です。塗装の塗り替えや劣化箇所の補修を計画的に行うことが、長期的に建物を守る上で重要です。
メンテナンスすべき劣化症状
モルタル外壁は、下記の劣化症状が見られた場合、10年経過していなくても早めにメンテナンスを検討するのが賢明です。
・変色やカビの発生
・細かなひび割れ(クラック)
・外壁に触れた際に粉状の物質が付着する(チョーキング)
・表面の浮きや剥がれ
これらの症状を放置すると、雨水が内部に浸入し、建物の構造部分に影響を与える可能性があります。安全で美しい状態を長く保つためにも、定期的な点検と迅速な対応を心がけましょう。
まとめ
モルタル外壁は、デザイン性や耐久性に優れている一方で、ひび割れや汚れの付着など注意が必要な点もあります。定期的なメンテナンスを行うことで、その美観と性能を長期間維持することが可能です。外壁のリフォームを検討している方は、施工業者の選定を慎重に行い、最適な補修や塗装方法を選びましょう。美しい外観を保ちつつ、快適な住環境を維持するために、早めの対応が求められます。
モルタル外壁は、素材の特性を踏まえつつ、定期的にメンテナンスすることが重要です。「外壁洗浄ネオピカ」は、モルタル外壁に適した洗浄剤や道具を選定し、プロの技術で外壁をキレイに磨き上げます。ご連絡いただいた後は最短即日でお見積りにお伺いし、無料のお試し洗浄も実施いたしますので、気になる方はお気軽にご相談ください。