外壁材の種類別に特徴やメンテナンス頻度、単価を徹底解説

新しい家を建てる場合、「外壁」は見た目を左右する重要な要素です。とはいえ、外壁材の種類は豊富にあり、どのように選ぶべきかわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、主な外壁材の種類と、それぞれの価格、特徴、メンテナンス頻度などを詳しく解説します。後半では選び方のポイントも紹介しているので、外壁材選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。


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主な外壁材7種類の特徴・単価

住宅で一般的に使用されている外壁材は、主に7種類です。ここでは外壁材それぞれの特徴やメリット・デメリット、1㎡あたりの単価について解説します。

窯業系サイディング|3,500~5,000円/㎡

窯業(ようぎょう)系サイディングは、ベースとなるセメント質に繊維質などを配合して、窯で焼き上げた板状の外壁材です。サイディングとは、工場で生産する板状の外壁材全般をさします。中でも窯業系サイディングは、近年の新築住宅でもっとも多く採用されている外壁材で、70~80%のシェアを誇っています。

メリット

窯業系サイディングが人気の理由は、豊富なバリエーションと施工のしやすさです。色柄が豊富なため、さまざまなデザインの住宅に合います。比較的安価で施工も容易なうえ、工場生産による安定した品質が高いシェアの理由です。

デメリット

デメリットは、太陽の熱を溜め込みやすい性質をもっているため、夏場は室内が暑くなりやすいことです。また、経年劣化するとコーキングのひび割れやチョーキング、ボードの反りなどが起こります。

メンテナンス頻度

7〜8年を目途にメンテナンスが必要です。

金属系サイディング|4,000~6,000円/㎡

金属系サイディングは、金属板を成形・加工して柄付けした外壁材です。断熱材で裏打ちされており、表面の金属板には、溶融亜鉛メッキ鋼板・ガルバリウム鋼板・アルミニウム合金・ステンレス鋼板などさまざまな種類があります。新築への採用はもちろん、モルタル外壁の重ね貼り(カバー工法)にも使用されます。

メリット

丈夫で長持ちする一方で、窯業系サイディングに比べると軽量に仕上げられています。防水性や耐震性に優れており、さらには寒暖の気温差による劣化(凍害)も起こりにくいというメリットもあります。

デメリット

金属なので衝撃を受けると凹みやすかったり、傷つきやすかったりする点はデメリットといえます。また、価格も高額になる傾向があります。経年劣化によるコーキングのひび割れや、環境によっては塩害・もらいサビ、白サビ、電触などにも注意が必要です。

メンテナンス頻度

10~15年周期で、メンテナンスを行います。

樹脂系サイディング|7,000~9,000円/㎡

塩化ビニル樹脂を原料とするサイディングです。窯業系サイディングの約10分の1程度の重量しかなく、金属系サイディングよりも軽量なので、躯体への負担が少なく済みます。

メリット

耐久性や耐候性に優れており、寒暖差や塩害、酸性雨にも強く、ひび割れしにくいのが特徴です。本体に顔料が練り込んであり、塗膜の剥がれが起こらないので再塗装の必要もありません。コーキング不要な施工方法により、メンテナンス回数が少なく済む点もメリットといえます。

デメリット

日本での普及率は高くないため、施工できる業者が少ない点に注意が必要です。製品自体も単色でバリエーションが少なく、選択肢が限られています。耐久性の面で見ると、耐火性能がない点も理解しておく必要があります。

メンテナンス頻度

10~20年ごとにメンテナンスを行います。

木質系サイディング|6,000~8,000円/㎡

無垢の木材を素材としたサイディングです。天然木に塗装や不燃処理を施しており、木そのものの質感を楽しめます。

メリット

天然木由来のナチュラルな外観が魅力です。木ならではのぬくもりを感じられるうえ、断熱性に優れているメリットもあります。木材といっても、不燃処理により防火性・耐火性など耐久性が向上している製品も多く生産されています。

デメリット

天然木を使用しているので、施工費用やメンテナンス費用が高額になりがちです。表面をコーティングしているといっても経年劣化により剥がれることがあり、水に弱く腐食や変色のリスクがあります。

メンテナンス頻度

7~10年の頻度で、メンテナンスが必要です。

モルタル|1,500~4,000円/㎡

砂にセメントと水を加えて混ぜ合わせた外壁材です。サイディングのように工場生産したものを貼り付けるのではなく、現場の職人が手作業で施工します。継ぎ目がなく、平面から曲面までどんな形状の外壁にも対応できる施工方法です。防火性も十分にあります。

メリット

表面の仕上げ方にはさまざまな手法があり、職人の腕次第で多彩な表情を演出できます。サイディングなどを貼り付けるタイプの外壁材にはない、モルタルならではのメリットです。

デメリット

継ぎ目がないため、コーキングの劣化はないものの、ひび割れのリスクがあります。また、表面にこまかな凹凸がある分、汚れやすい点もデメリットです。職人の手作業で施工するため、担当する左官工・塗装工の腕や現場での品質管理によって、仕上がりと耐久性が左右されます。

メンテナンス頻度

メンテナンス周期は、5~10年程度です。

タイル|7,000~9,000円/㎡

粘土をベースにした原料を板状に成型して、約1,300度の高温で焼き固めた外壁材です。表面はさまざまな質感に加工でき、原料の石や土ならではの重厚感がある仕上がりになります。

メリット

最大の特徴は、耐久性に優れており、経年劣化がほとんどないことです。高温で焼き上げたタイルは硬く、傷や摩耗にも強い性質をもっています。紫外線による変色・色あせの心配もありません。さらに、吸水しにくい特性は、汚れや雨の影響からも外壁を守ってくれます。

デメリット

タイルとタイルの間にくぼみを残す深目地のデザインは、凹凸に雨水が滞留しやすくなります。雨水がいつまでも残っていると外壁下地にまで湿気を帯びてしまい、劣化を早めるおそれがあります。ほかにも、施工不良や継ぎ目、コーキングの劣化に注意が必要です。タイルの裏側に水が浸入して、浮き上がることがあります。

メンテナンス頻度

10~15年の周期でメンテナンスが必要です。

ALC|7,000~15,000円/㎡

軽量気泡コンクリートとも呼ばれる、パネルタイプの外壁材です。ケイ酸質・石灰質・アルミニウム粉末を主原料としており、高温高圧の蒸気により成形されます。軽量と名のつく通り、通常のコンクリートに比べると4分の1程度の重さしかありません。

メリット

水に浮くほど軽量のため、躯体に与える負担が少ないのが特徴です。さらに断熱性・耐火性に優れており、ある程度の遮音性も期待できます。

デメリット

ALCは、多孔質(細かい穴が開いている構造)が特徴の素材です。防水性がほとんどなく、水を吸収しやすい性質をもっています。仕上げのコーキングで対策できるものの、経年劣化により防水性が低下すれば剥がれるおそれがあります。

メンテナンス頻度

メンテナンスは、10~15年周期で行います。

外壁材の種類選びのポイント

最後に外壁材の選び方について、3つのポイントに絞って解説します。外壁材を選ぶときは、下記の3つを基準に検討しましょう。

ポイント1|価格

外壁材の価格は、種類ごとに大きく異なります。同じ施工範囲でも、種類によっては最大10倍以上の差があるため、価格面も含めて検討することが大切です。

まずは気になっている外壁材について、費用相場を把握します。候補の中から予算圏内かつ適切な価格帯の外壁材を選ぶと、無理なく施工できます。

注意点は、安さのみを優先しないことです。価格が安くても、機能が低ければ住み心地に影響したり、外観が安っぽくなったりします。耐久性が低い外壁材なら、メンテナンス頻度が多くなって結果的に費用が高くなるリスクもあります。

ポイント2|メンテナンス性

外壁は、使用した外壁材の種類に加えてメンテナンスの有無によっても耐久性・寿命に大きな差が出ます。メンテナンスは外観の美しさを保つのみならず、外壁材を長持ちさせる意味でも重要な要素です。

どんなに耐久性に優れていても、メンテナンスを一切必要としない(メンテナンスフリーな)外壁材は存在しません。外壁材を選ぶときは、耐久性を参考にメンテナンスが必要な頻度を確認する必要があります。

ポイント3|デザイン性

外壁材の色、素材、質感、ツヤ感が違えば、住宅の形が同じでも受ける印象はまったく異なります。

外壁材ごとにイメージをまとめると、下記の通りです。

外壁材の種類 イメージ
モルタル 仕上げ方法が多彩なため、重厚感や高級感を出しやすい
窯業系サイディング デザインの種類が豊富(洋風・和風・モダンのどれでも対応)
金属系サイディング メタリックな仕上がりでスタイリッシュな印象を与える
タイル 独特の質感で高級感を出せる
ALC モルタルやサイディングに比べると、デザイン性の自由度は高くない

高級感を出したいのか、自分好みのデザイン・色に仕上げたいのか、優先したいポイントを基準に選びましょう。

外壁材の種類を踏まえたクリーニングなら専門業者にお任せ

外壁は、定期的にクリーニングなどのメンテナンスが必要です。クリーニングすると家の外観をキレイに保ちつつ、カビやコケの発生を予防できます。定期的なメンテナンスは、家を長持ちさせるためにも必要不可欠です。

また、実際にクリーニングをご検討の際は、専門業者への相談がおすすめです。外壁洗浄ネオピカでは、外壁材の種類や汚れの場所に合わせた方法で、安全かつスピーディーに掃除いたします。自力では対処が難しい汚れにも対処し、「キレイな家」を維持するサポートをいたします。

まとめ

外壁材を選ぶ際には、種類ごとの機能やデザイン性、メリット・デメリット、価格などを踏まえて総合的に決断することが重要です。また、どの外壁材を選んだとしてもいずれはメンテナンスしなければならないため、メンテナンスの方法や頻度についても事前に把握しておくと良いでしょう。今回紹介した情報をもとに、ご自宅に最適な外壁材を選んでください。