外壁の黒ずみの正体と原因
外壁の黒ずみが発生する原因はさまざまです。ここでは黒ずみの正体と原因について、4つ解説します。
雨だれ
雨だれは、家の表面に付着した汚れが、雨の日に流れ落ちて外壁に付着してできる汚れです。屋根や外壁、窓ガラス、サッシには、埃や排気ガスなどさまざまな汚れが付着しています。雨水に含まれる炭酸カルシウムも、雨だれを発生させる原因のひとつです。
新築直後は、外壁に使用されている塗料の防水・防汚成分のおかげで、雨だれができることは基本的にありません。しかし、築年数が経つと外壁の塗膜が劣化したり剥がれたりして、雨だれの黒い汚れが目立つようになります。
外壁は、毎日太陽光や紫外線を浴び、風雨の影響も直接的に受けています。質の良い塗料を使用していても、数年経てば劣化は免れません。
コケやカビ
住宅地のように隣接する家や塀と建物の距離が近い場合、コケやカビも外壁の黒ずみの原因となります。日当たりが悪く、湿気が多い面に発生しやすいため、注意が必要です。
隣家や堀との間に多少の距離があっても、北に面している外壁など暗くジメジメしやすい場所には、コケやカビが発生することがあります。
コケは緑がかった色を、カビは黒ずんだ色をしているのが特徴です。モルタル壁など凹凸の激しい外壁の場合、水や汚れが溜まりやすいため、コケやカビが発生しやすくなります。
排気ガス
交通量の多い幹線道路や、トラックなど排気量の多い自動車が頻繁に通る道に面している住宅の場合、排気ガスも原因として考えられます。
雨だれとの違いは、汚れの出方です。雨だれの場合、窓枠やガスメーターなどの突起部分の下に、汚れが垂れているかのように尾を引いています。
一方、排気ガスによる汚れは、すす・油が外壁に付着してできるもので、全体的に黒ずんだように汚れて見えるのが特徴です。
塗料の変色・色褪せ
外壁の面ごとに黒ずみの濃さが異なる場合は、塗料そのものの変色・色褪せが考えられます。外壁塗膜は毎日太陽光や紫外線、風雨にさらされているため、経年劣化で本来の色が失われることがあります。
変色・色褪せによる特徴は、紫外線(太陽光)が長時間当たる場所と当たらない場所によって、色の変わり方にムラが生じることです。黒ずみのみならず、塗装時よりも色が薄い・白っぽい場合は、変色・色褪せが原因と考えられます。
外壁の黒ずみを除去する方法
前述の通り、黒ずみの原因はさまざまです。汚れがこびりついている場合が多く、水をかけた程度では落とせません。外壁の黒ずみを除去するためには、正しい方法で掃除する必要があります。
汚れの種類に関係なく、基本的な外壁掃除の流れは下記の3ステップです。
1.外壁に水をかける
2.スポンジでやさしく洗う(中性洗剤or専用クリーナー)
3.水で洗い流す
外壁の黒ずみ掃除でどのような道具を使うべきか、ここでは代表的な3種類を解説します。
中性洗剤
中性洗剤は幅広い汚れに対応できるため、外壁の黒ずみにもおすすめの道具です。軽度の黒ずみであれば、専門的な商品を購入せずとも、食器用洗剤や浴室用洗剤で十分な効果が期待できます。
外壁を掃除するときは、ぬるま湯で中性洗剤を薄めてから使用しましょう。スポンジに含ませて、汚れをこすり洗いします。
外壁専用クリーナー
汚れの種類や状態によっては、家庭用の中性洗剤ではなかなか落ちない場合があります。しつこい汚れには、外壁専用クリーナーがおすすめです。
外壁専用クリーナーは強力なため、手袋やゴーグルなどで肌や目を保護した上での使用が求められます。先に中性洗剤で掃除してみて、どうしても落ちない汚れがあるときに外壁専用クリーナーを試してみてはいかがでしょうか。
高圧洗浄機
最近は住宅の掃除アイテムとして、家庭用の高圧洗浄機が人気です。外壁の黒ずみも、高圧洗浄機を使用すると強い水圧で汚れを細部まで洗い流せます。
ただし、必ずしも外壁掃除に高圧洗浄機が適しているとはいえません。高圧洗浄機は威力が強すぎるゆえに、外壁の塗装まで剥がしてしまうおそれがあるためです。
外壁塗装は外観を整えるだけでなく、紫外線や風雨などあらゆるダメージから建物を保護する役割を持っています。塗装を剥がすと、外壁にかえって汚れが付着しやすくなるため、注意が必要です。
高圧洗浄機で外壁を掃除する場合は、その後の塗り直しも含めた総合的なメンテナンスを検討しましょう。
外壁の黒ずみを除去する際の注意点
外壁掃除は、家の中の掃除とは留意すべき点が大きく異なります。また、誤った方法での掃除は外壁の汚れを悪化させたり劣化を早めたりするおそれがあり、注意が必要です。外壁の掃除に関する注意点は、下記の4つがあげられます。
晴れている日に作業する
外壁の黒ずみ除去は、晴れている日に行いましょう。先述の通り、外壁が黒ずむ原因の一部は雨だれなど天候が関係しています。雨や曇りの日に掃除すると外壁が乾きにくく、新たな汚れが付きやすくなります。
また、風が強い日も避けたほうが無難です。風が強い日は洗浄した外壁が乾きやすい一方で、飛んできた汚れが付着しやすいリスクもあります。
カラッと晴れた、風の強くない日が作業に適しています。
力を加えすぎない
外壁をこすり洗いするときのポイントは、力を入れてゴシゴシこすりすぎないことです。外壁はある程度は丈夫といっても、力強くこすれば、塗装が汚れと一緒に剥がれてしまうおそれがあります。
新たな問題に発展させないためには、適度な力加減での作業が大切です。使用する道具も可能なかぎり柔らかいものを選び、硬いスポンジやブラシ、研磨剤入りの洗剤は避けましょう。
室内に水が入らないようにする
水や洗剤で室内を汚さないように、作業前は開いている窓や隙間がないかの確認が必要です。作業内容によっては、窓や換気扇の隙間から入り込んで室内が濡れることがあります。
隙間がある場合は該当箇所を避けて掃除するか、養生テープでカバーしておくなどの対策を講じましょう。
マスクやゴム手袋を装着する
作業時は、マスクとゴム手袋の装備が必要です。外壁の汚れは、家の中の汚れよりも強力です。カビなど、体内に入り込むと悪影響をおよぼすおそれのある汚れもこびりついています。
そのため、汚れを吸い込んだり、直接触れたりしないための装備が欠かせません。高い位置を掃除するときは、マスクとゴム手袋に加えて、目に入り込まないようにメガネでの保護も必要です。
装備をした上で作業すれば、強力な洗剤でも安心して使用できます。
頑固な黒ずみや高所作業は専門業者への依頼がおすすめ
1階部分のみであれば、自力で作業できる場合もあります。しかし2階や3階といった高所作業が発生するときは、掃除のプロに依頼したほうが安全です。自力作業では外壁の汚れが落ちない場合も、プロへの依頼がおすすめです。プロなら高所作業に慣れている上に、汚れに合った方法で掃除してくれます。
外壁の黒ずみや汚れにお困りの方は、外壁洗浄ネオピカにご相談ください。外壁掃除のプロの視点から、外壁の素材や黒ずみの進行具合に合わせて適切な方法を提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
新築時から何年も経過した建物の外壁は、雨だれ、コケやカビ、自動車が吐き出したすす・油など、さまざまな汚れを原因とした黒ずみが発生しています。汚れの種類によっては全体的に広がり、一見すると塗料が色褪せた程度に思えるものもあります。
大抵の汚れは中性洗剤とスポンジで対処できますが、頑固にこびりついていたり、高所に汚れが広がっていたりする場合は、自力での作業が容易ではありません。そのようなときは無理せず、外壁掃除のプロに依頼することをおすすめします。