レンガ外壁のメリット5選!施工費用やメンテナンスについても解説

レンガ外壁は、温かみのある風合いや耐久性の高さから、多くの住宅に採用されています。しかし、デメリットも存在するため、外壁に使用するかどうかは慎重に検討しましょう。 今回は、レンガ外壁とは何か、メリット・デメリット、施工費用、メンテナンスについて解説します。これから家を建てる方やリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。


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レンガ外壁とは

レンガ外壁とは、本物のレンガを使用した外壁のことです。レンガは粘土に砂や泥を混ぜたものを型に入れ、乾燥または焼き固めて作られます。レンガ外壁は、自然素材ならではの温かみと独特の風合いが特徴です。レンガには赤茶系や素焼き系、白やグレーなどさまざまな色味があり、それぞれ異なる印象や雰囲気をもっています。

また、ひとくちに「レンガ外壁」といっても、レンガの種類や施工方法はさまざまです。外壁材として使用されるレンガには「日干しレンガ」と「焼成レンガ」の2種類があり、それぞれレンガを作る過程が異なります。素材を型に入れて乾燥させたものが「日干しレンガ」、高温で焼き固めたものが「焼成レンガ」です。

レンガ外壁の施工方法には、レンガをブロックのように積み上げる「ブロックレンガ」や、薄くスライスしたレンガを貼り付ける「スライスレンガ」があります。ブロックレンガは対応できる業者が少なく、日本ではあまり採用されていません。

レンガ外壁のメリット5選

レンガ外壁を導入する場合は、メリット・デメリットを把握して慎重に検討しましょう。下記では、レンガ外壁のメリットを5つ紹介します。

劣化しにくい

レンガは耐久性が高く、風雨や紫外線といった外的環境の影響を受けにくいのが特徴です。他の外壁材と比較して色あせやひび割れが起こりにくく、長期間にわたって美観を保てます。

メンテナンス費用が安く抑えられる

レンガ外壁は外壁塗装が不要であるため、定期的なメンテナンス費用を抑えられる点がメリットです。一般的な外壁材の場合、紫外線や風雨の影響で塗装が劣化し、数年ごとに再塗装が必要になる場合がありますが、レンガはそのままの状態でも問題ありません。ただし、目地の防水処理などは定期的に実施する必要があります。

また、レンガはひび割れや変色が比較的起こりにくいことから、突発的な補修が必要になるリスクも抑えられます。

断熱性・蓄熱性に優れている

レンガは多くの気泡を含んでおり、外壁材として使用することで、住宅全体が空気の断熱材で包み込むような効果を発揮します。夏場は外気の熱を遮断して室内の冷気を外に逃さない役割を果たす一方、冬場には屋外の冷気を防ぎつつ、室内で生まれる熱を蓄えて暖かさを保てます。

このように、一年を通じて快適な室内環境をつくる手助けをしてくれるため、冷暖房のエネルギー消費を抑えられる点も魅力です。

耐火性が高い

レンガは粘土でできており、火に強い性質をもっています。ゆえに、火災時でも建物全体への燃え広がりを抑える役割を果たし、建物の損傷を最小限に抑えられる点がメリットです。ピザ焼き窯などで使われるような「耐火レンガ」であれば、より耐火性能が高くなります。

また、「レンガ中空積み工法」という工法を採用すれば、耐震性も向上します。

遮音性に優れている

レンガ外壁は遮音性に優れているため、外部からの騒音が気になりにくい点もメリットです。交通量の多い道路沿いや繁華街などの騒がしい場所でも、レンガ外壁を使用すれば快適に過ごしやすくなります。また、外部の騒音だけでなく、室内の音が外に漏れるのも防げるため、プライバシーの確保にもつながるでしょう。

レンガ外壁にはデメリットもある

下記では、レンガ外壁のデメリットを4つ紹介します。

施工費用が高い

日本ではレンガが住宅に採用される割合が低く、生産量も限られています。そのため、外壁材として使う場合、多くが輸入に頼ることになり、輸送コストも含めて材料の単価が高額になりやすいのです。

また、レンガ外壁を施工する際には、どの工法でもモルタル(セメントと砂、水を混ぜて練った建築材料)が必要です。このモルタルを完全に乾燥させるのには時間がかかります。乾燥時間は天候にも左右されやすく、雨が続いたり気温が低かったりすると、乾燥が遅れて工期が延びることも少なくありません。

工期が長くなると、その分施工に携わる職人の人件費も増え、結果的に施工費用が高額になります。

工期が長い

レンガ外壁では、レンガの形状にかかわらず、一つひとつを手作業で積むか貼る作業が必要です。この細かい作業が住宅全体にわたるため、大型のサイディングボードを貼り付けるだけで済むサイディング外壁に比べて、工期が長くなりやすい点は踏まえておきましょう。

夏場は暑いと感じることがある

レンガ外壁は蓄熱性が高いという特性をもっていますが、この性質が夏場にはデメリットとなる場合も少なくありません。

レンガは日中に受けた太陽の熱を吸収して蓄える能力が高いため、外気温が高い日が続くと熱が内部にこもりやすくなります。その結果、住宅全体が暖まりやすく、夜になっても熱が残るため、室内で暑さを感じる場合があるでしょう。

施工できる業者・職人が少ない

レンガ造りの外壁は、高い施工技術を必要とし、その難易度は漆喰のぬりかべの施工と同程度とされています。日本ではサイディングボードを使用する外壁工事が主流であるため、レンガ外壁に特化した施工業者は少なく、熟練した職人も希少です。

そのため、新築の場合は着工から完了までに時間がかかりやすく、改修工事をする場合にも、適切な業者や職人を探し出すのに苦労することがあります。

レンガ外壁の施工費用

レンガ外壁の施工費用は、使用する工法や材料、施工面積、地域の相場などによって異なります。下記は、30坪(約120~129㎡)の一戸建てを施工する場合の参考費用とその内訳です。

【施工費用の例】

工法 費用目安
ブロックレンガ(積み上げ) 400万円前後
スライスレンガ(貼り付け) 250万円前後

 

【費用の内訳】

項目 費用の目安 備考
レンガの費用 約5,000円~20,000円/㎡ 使用するレンガの種類によってばらつきあり
基礎の費用 約30万円(ブロックレンガの場合) 面積や施工条件により変動
足場の費用 約15万円〜20万円 施工面積や高さによって変動
施工費用 約5,000円~15,000円/㎡ 施工の難易度や期間により変動

 

レンガ外壁のメンテナンス方法

レンガは耐久性が高く、日常的なメンテナンスは原則不要です。耐用年数は、ブロックレンガは数百年、スライスレンガは30〜50年といわれています。

ただし、モルタルの劣化や自然災害によるレンガの破損などによって、補修が必要になる場合も少なくありません。下記では、レンガ外壁の補修・メンテナンスについて解説します。

目地の補修

レンガ自体は丈夫で劣化しにくい素材ですが、目地(部材の継ぎ目)に使用されるモルタルは、雨風や紫外線の影響を受けることで劣化することがあります。この劣化が進むと、目地にひび割れが生じ、そこから水分や汚れが入り込む可能性があります。

ひび割れを放置すると建物内部に水が浸入し、建物全体が劣化しかねません。目地材の劣化に気づいた場合は、新しいモルタルを充填するなどの迅速な補修が必要です。

レンガの補修

台風や暴風による飛来物によって、レンガが割れたり、欠けたり、ぐらついたりすることがあります。レンガが破損した場合は、新しいレンガを貼り直す補修が必要です。

レンガが抜け落ちた場合には、欠けた部分に新しいレンガを貼り付けるだけで修復が可能なケースもありますが、鉄筋や母材で連結されている構造の場合は、補修がより複雑になることがあります。そのため、専門の施工業者に依頼するのがおすすめです。

また、レンガは基本的に汚れがつきにくい特性をもっていますが、長期間放置されるとカビやコケが生えたり、泥やホコリが付着したりすることがあります。汚れが付着した場合は、水をかけながらデッキブラシで優しくこすり落としましょう。

【補足】レンガ調外壁という方法もある

レンガそのものを使用するのではなく、見た目をレンガに似せた外壁材を使用する選択肢もあります。レンガ特有の風合いやデザインを取り入れながら、施工コストや工期を抑えたい場合におすすめです。

レンガ調の外壁には主に、サイディングボードやタイルがあります。これらは工場で大量生産されるため、価格が比較的安価で、均一な仕上がりを得られるのが特徴です。また、レンガを一つひとつ積み上げたり貼り付けたりする手間が不要なため、施工が簡単で工期が短く済みます。

一方で、本物のレンガのような耐久性や、経年変化による味わいは期待しにくい点がデメリットです。

まとめ

レンガ外壁とは、本物のレンガを使用した外壁のことです。レンガ外壁は、劣化しにくい点やメンテナンス費用が抑えられる点など、多くのメリットがあります。一方で、施工費用が高いことや工期が長い点など、デメリットもあります。

また、外壁のメンテナンスも重要で、目地やレンガの補修によって、レンガ外壁の耐久性と美しい風合いを維持できます。もし外壁の汚れが気になる場合は、定期的に洗浄しましょう。

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